保育士さん、学童の指導員さん、放課後等デイサービスの職員さん。
子どもに関わる仕事をしている方から、こんな言葉をよく聞きます。
「好きで選んだ仕事だから、しんどいって言えない」
私も以前、放課後等デイサービスで働いていました。子どもたちと過ごす時間そのものは、いい時間でした。それでも、消耗していく感じは確かにありました。
何が人をすり減らせていくのか。書いてみます。
## 1. 子どもの前では、感情を置いておくことになります
子どもと接しているとき、自分の機嫌は持ち込めません。
前の日に嫌なことがあっても、体調が悪くても、子どもの前に立つときには切り替えます。子どもは大人の様子をよく見ているので、こちらが揺れていると、そのまま伝わってしまいます。
これは仕事として必要なことです。ただ、切り替えるというのは、感情をどこかに置いておくということでもあります。
置いたものは、なくなりません。あとで取りに戻る時間がないまま、次の日が来ます。
## 2. ご家庭との連携には、見えない力が要ります
子どもと過ごす時間だけでなく、ご家庭とのやりとりにも、思っている以上の力が要ります。
保護者の方は、その子のことをいちばん近くで考えておられます。お仕事と育児を抱えて、限られた時間のなかで向き合っておられる方がほとんどです。
だからこそ、こちらも言葉を選びます。伝え方ひとつで受け取られ方が変わるので、短いやりとりでも神経を使います。
大事に思う相手であるほど、選ぶ時間は長くなります。
これは誰かが悪いという話ではありません。子どもを真ん中に置いて大人同士が関わるとき、どうしても力が要る。ただそれだけのことです。
その積み重ねが、気づかないうちに疲れとして残っていきます。
## 3. 「好きで選んだ仕事でしょう」が、口を塞ぎます
子どもに関わる仕事は、志望動機を聞かれる場面が多い仕事です。子どもが好きだから、成長を見守りたいから。
その気持ちは本当のものです。
ただ、その気持ちがあることと、労働条件がきついことは、切り分けて考えていいはずです。
好きで選んだのだから、多少のことは我慢すべきだ。そういう空気が、周りからだけでなく、自分の中からも出てきます。
そうなると、しんどいと感じること自体が、志の低さのように思えてきます。
## 4. 子どもの背景に触れることの負担
子どもと関わっていると、その子の家庭のことが見えてきます。
見たくないものが見えることもあります。誰にも言えないまま、記録に書くしかないこともあります。
自分にできることの範囲は限られています。その子が家に帰ったあとのことは、どうにもできません。
どうにもできないことを毎日見続けるのは、消耗します。これは能力の問題ではなく、そういう構造の仕事だということです。
## 5. 辞めることが、見捨てることのように感じます
担当している子がいると、辞める話が出しにくくなります。
あの子はやっと慣れてきたところなのに。自分がいなくなったら不安定になるかもしれない。
その気持ちは、その子を大事に思っている証拠です。
ただ、その気持ちのために自分が壊れてしまったら、結局その子のそばにはいられません。
順番としては、自分が続けられる状態を保つことが先にあります。ここは、多くの方が逆に考えてしまうところです。
## 支える人には、支える人が要ります
子どもを支える仕事をしている方は、日々たくさんのものを受け止めています。
子どもの感情、保護者の不安、同僚との関係、制度の制約。それらを受け止めながら、自分の感情は後ろに置いています。
受け止め続けるには、こちらの器も定期的に空にする必要があります。器がいっぱいのままでは、次のものが入りません。
これは気合いの問題ではなく、容量の問題です。
## 話す場所を、職場の外に持つ
職場の中で相談すると、どうしても評価や人間関係と結びつきます。同僚に話せば、その人の負担にもなります。
外の人間に話すことには、それがありません。噂になりませんし、翌日の勤務にも影響しません。
こころのかかりつけには、臨床心理士がおります。福祉や教育の現場の話は、説明しなくても通じることが多いので、前置きから始める負担がありません。
解決策が要るわけではないことも多いです。ただ、自分が何をどれだけ受け止めてきたのかを、誰かに向かって言葉にする。それだけで、器に少し余白ができることがあります。
初回の30分は無料です。よければ、一度だけ試してみてください。
代表 橋本真咲
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